葬儀にまつわる豆知識

湯灌(ゆかん)

◆湯灌(ゆかん)とは?

湯灌とは、亡くなった人の体をお湯で洗ってきれいにしてあげることです。これは昔から日本で大切にされてきました。家族や近い人たちが集まって、亡くなった人をやさしく清めてあげることで、「ありがとう」「おつかれさま」の気持ちを伝える時間でもあります。

◆湯灌の始まりと歴史

湯灌の歴史はとても古く、日本では昔から水で体を清めることで悪いものをはらうという考えがありました。平安時代には、亡くなった人の体を水やお湯で洗うことがすでに行われていて、江戸時代には町の人たちのあいだでも普通に行われていました。そのころは、ぬるま湯にする方法としてお湯に水を足すのではなく、水にお湯を足す「逆さ水(さかさみず)」や「左柄杓(ひだりびしゃく)」といった逆さごと(日常とは逆で行う独特のやり方)があり、清めたあとのお湯の捨て方にも決まりがあったそうです。

また、仏教では、体を清めることでこの世での苦しみや汚れを落として、あの世でよい生まれ変わりができるようにとの願いも込められていました。つまり、湯灌は体だけでなく心や魂もきれいにするためだったのです。

◆どうして湯灌が大切なの?

湯灌は、ただ体を洗うだけのことではありません。家族が見守りながら行うことで、亡くなった人に「ありがとう」を伝えたり、ちゃんと見送るという実感を持ったりすることができます。きれいになった姿を見ることで、家族も少し安心できることがあります。だから、湯灌は心の整理にもつながる大事な時間なのです。

◆今の湯灌と気をつけたいこと

今の時代では、病院で亡くなった人の体をきれいにふいてくれる「エンゼルケア」が行われることが多くなり、昔のように家で湯灌をすることは少なくなりました。そのため、湯潅は必ずしなければいけないということではなくなり、湯灌をする場合でも専門の人が行うことが多くなり、多くの葬儀社ではオプションとして別料金で行われています。

この費用は会社によって大きく異なり、葬儀会社によっては公表されていないケースもあります。葬儀会社によって金額に大きな差があります。また、中には1回だけでなく、2回も3回も湯灌をすすめてくる葬儀会社もあります。こうなると、最初に考えていたよりもずっと多くの費用が必要になることがあります。

もちろん、湯灌には大切な意味がありますが、料金のこともふくめて本当に必要かどうかを家族でよく話し合うことが大事です。お金がかかるからやめる、ということではなく、その意味を知ったうえで湯灌が必要か、さらには2回も3回も行う必要があるのか、考えてから選ぶことが大切なのです。

◆まとめ

湯灌は、亡くなった人の体や魂をきれいにして、安心してあの世へ旅立てるようにするための日本の大切な伝統です。お風呂とも違います。ただのサービスではなく、気持ちをこめた最期のおくりものでもあります。

湯灌の意味を知ったうえで、湯灌をどうするのか家族で話し合って決める──それが一番大切なことです。

◆クレリ宝塚の湯灌費用

追加料金 66,000円(税込)